― 副官の奮闘 ―
[身軽な赤紅は払い上げの一撃を難なく躱す>>233。
空を切った長槍を頭上で切先を円を描くように動かし、手元へと引き戻した時、赤紅が右肩に担いだ大鎌を振り下ろさんとしていた。
それに対し、長槍の柄を大鎌の柄にぶつけて弾こうとした副官だったが、大鎌を引かれたことで虚を突かれ、長槍が再び空を切る。
「しまっ……!」
[上体を開いた体勢で副官の表情が歪んだ。
それは追撃を覚悟してのこと。
けれど、向けられた大鎌の背は直ぐには副官に襲い掛かることはなく]
「はああぁ!!」
[左へと振り上げる形になっていた長槍の柄を、突きの形で構えられた大鎌へ叩き付けんと振り下ろした*]