― 夕刻・シコン港 ―
[安定の事後報告であった。
提示内容がアレクトールの思惑どおりであることも含めて。
以心伝心のルートヴィヒといると、会議などというものが無用の長物に思えてくる。]
随分と町の明かりが少なかったから、領主が戒厳令でも出したのかと思ったが、退避済みか。
明日にも戻らせるよう打診しておこう。
いっそ、交流をはかるために、港でブイヤベースの振る舞い会でもやったらいい。
ああ、仔細はアンディーヴ卿と話すとしよう。
会いたい。
[率直に望みを口にし、ファミルは近くにいるのかと視線を巡らせる。]