― 街道 ―
[その拳が腹に届くか届かないかの時>>251。クレステッドは手を開き、その手を腹に当てつつ、呪文を唱える。]
植え付けられし呪い達よ
我が声に応えて刺となれ!
[唱え終えれば、最初にレトの肩に付けられた傷から。
長剣で深く刺されたかのような鋭い痛みが走り、おびただしい量の血が吹き出る。
並の人間なら気を失うであろう。
対するこちらも、詠唱時間を極限まで短くし、触媒も使わなかった魔法の代償として、相当な疲労を覚えては居るようだが。]
……悪いが……専門はこちらなのでな……!
[レトは気を失っただろうか。そうでなくても、まっとうに戦闘を続行することは相当困難なはずで。
幽鬼の馬をレトの馬に突進させ、レトの落馬を狙う。それが叶ったならば、レトを組み伏せることになるだろう。
一方、手勢同士の戦いも殆ど決していた。
レトに従って突進した軍勢はほぼ壊滅。とはいえ、数百人規模の伏兵部隊も半分以上壊滅していた。*]