[空には白雪が舞う。
それはウェルシュではなく、リヒャルトのみを狙う様子だった。>>224
地面に倒れながら、何か武器になる者はないものかと探り、咄嗟に肩に掛けた儀礼用のマントを剥ぎ取る。乱暴な仕草に少し飾りが取れてしまったが、気に掛ける余裕はなかった。
ジュードの問い。>>223
リヒャルトの応え。>>236
それらを耳にするウェルシュの身体が微かに震えた。
怯えの為ではない。これは怒りだ。
ヘーゼルの双眸に怒りと悲しみの色を湛えて、古き友を見遣る。]
……やめろ……、
…──── やめろ!!!
[叫んだのは、白鷹連れた古き友へ向け。
強く歯を食い縛り、睨む眼差しにどれだけ力があるかは分からないけど。]