― 嘗て酒の席で ―
[ジュースが酒に変わっても。この男が飄々しているようで
割と広い視野を持っていて――そして
聊か之と決めたら頑固であろう(と、己は思っている)
というのは。長年の付き合いだ。察するところがある
慎重に告げられた言葉には。いや、きっと
遠慮というもんじゃないな。と、思った理由としては
返る宛のない手紙を出し続ける背
自分を神父としか呼ばぬ様子
――何かを笑顔の下に隠しているような
そんな感じが、教会に引き取られても
ずっとしていたことにも起因するが]
そうだな。何か吹っ切れないところは
きっと、あるんだろうな
[だがそれを暴き出すのもまた彼女が望むことではなさそうだから
唯、見守るしかできないんだがな、と
慰めにどーもと苦笑を零すのでありました]