― 温泉 ―
[予想以上にお湯が身体に心地よく染みてくる。
ここの泉質によるものかもしれないが、何より自分の疲労が想像以上なのだろう。
暴れに暴れて、戦って、走り回って――そしてなおこれからやるべきことやりたいことを思い描いて、それに身体がついていけるかとなると自信がなくなってきた。
それは悔しいが、できる範囲で修正していくべきだろうなとかいろいろ頭を巡らせながら湯に浸かっていれば]
……?
あー、宿敵じゃん。
あれから元気してる?
あんたもここに呼ばれたってぇことは……なんか抑えつけてる夢とか悩み抱えてたりすんの?
せっかく顔合わせたんだし、王国としてなんとかできることは聞くけど。
ま、こっち来なって。
[アイリの声を聞き留めれば、次いで姿を認めれば手招き。
隣に誰かいたとしても、湯けむり越しではおばちゃんに見えたかもしれない。]