[ けれど、チャールズは、その何れの方法も選ばず、少年を宰相へと預けるという判断を下した。
外交的にも難しい処分を、宰相たる者に任せたということならば、それもまた正当な処置であったろう。けれど、宰相の元へ送られる前に、傷の治療を受け、暖かい食事と休息の時間をも与えられたのは、確かなことで ]
ダーフィト・エイワズです。お見知り置きを。
[ 後に、名を変え、出自を隠して、宰相に引き取られた遠縁の遺児として、チャールズと再び対面した時、あの夜の事を一言も口にしなかった相手に、やはり救おうとされたのだ、と、確信した ]