今から少し回って屋敷へと戻るつもりです。だから兄様、あとで部屋へ伺っても良いですか?あまりお疲れでなければ、で構わないのですけど。[久しぶりに兄と話がしたい、と。実際落ち着ければ、部屋でもどこでも構いはしないが、ともあれ希望を述べて兄を見遣る。街角で出来る話は精々がこの程度であろう。兄の応えがあれば、ウェルシュはその場で兄を見送った。その背を見送る目が誇らしげに輝いていたこと、傍らの画家には気づかれてしまったろうか。*]