[ ただ、「紋章」という贈り物は気に入った。
センスのない魔物に任せていては出てこないようなデザインだ。
炎を噴く火竜というのは少々苦笑せざるをえなかったが、
大陸に飛ばせた火竜は、彼らの心に相当大きなインパクトを残したのだろう。 ]
この紋章を掲げた国や町は、「人類半数の殺害」の例外とする。
この紋章は、俺だと思え。
俺の臣下を自認する者は、この紋章には手を出してはならぬ。
もしも出した者はその場で処刑して構わぬ。
しかし、そうでない者は、お前達の好きにしていい。
[ 魔軍には、その命令を徹底させた。
……魔王の紋章の元に居た方が安全であることを、人々もやがて学ぶだろうと見込んで。 ]