― →茶房・暖暖―
――ん。
[>>221玲緒も異存はないらしく、奈良公園から離れて奈良町へ。
歴史的な街並みが残るこの地域は、ほぼ全域が元興寺の旧境内だというから驚きだ。
江戸時代の面影を残す町屋を改装した小さめの店や家屋の中に、時々現代っぽい建物が混じっていたりするのはやっぱり時代なんだろうか。
玲緒のナビで細かく入り組んだ路を歩き、目的地である奈良オリエント館へ。
店名は、暖暖とかいてのんのんと読むらしい。
FMのサテライトスタジオを過ぎて、靴を脱いで上がる。
中庭と縁側もあって、落ち着いた佇まいだ。]
へーぇ、そうなんだ。
[座卓について正座をし、お品書きに目を通し、玲緒の言った御膳を見る。]
じゃあ、あたしほうじ茶の方にするからさ…
[妹に言うように、二種類の味をシェアしようと言いかけて口を噤んだ。]