よし…っ[小さい頃、ヤコブやオットーに連れられて遊び回った森は多少地形を変えている部分はあれど、方向感覚まで失わせはしないだろう。距離を稼ぐために道を外れ、森の中を走る。どの位遠くまでゲルトは行ってしまったか、もしこっちの道じゃ無かったら。不安に押し潰されそうだ。ヤコブが、オットーが、ここにいてくれたらどんなにほっとするだろうか。二人が自分とゲルトの事を心配しているとは、思いもしなかったが、それでもやはり頼りになる大好きな二人の顔は浮かぶのだった。]