[広場に新たに生じた匂いと気配がひとつ。血族ではない。ヒトだ。隠れているつもりなのか、隠すつもりもないのか、周辺からすっかりヒトの気配が薄くなっている以上、丸わかりである。片割れから目を離さずに、ヒトに向かって声を張り上げる。] そこにいるのは分かっている。 隠れていないで出てこい。