― → 公国軍拠点へ ―
追撃はなし、か。橋の維持を優先したな。
……いい判断だが、おかげで助かった。
[奪った馬を、公国側の拠点があるだろう方向に走らせたまでは良いが。
手足の痺れはじわじわ悪化しており、振り落とされないようにしがみついているのがやっとの状況。
この状態で追撃を受ければ、さすがに死を覚悟せざるをえなかった]
後の問題は……拠点についても、疑われて殺されかねんことか。
[自分がスパイとして帝国軍に所属していたことを知る者は少ないが、偵察兵などに帝国軍の一員として拠点にいる姿を見られていた可能性はある。
戦闘の混乱に紛れて潜入しようとしている破壊工作員などと疑われたら困るなー、と。
馬にしがみついたまま、ため息をこぼした]
……こんなときでも、たてがみはきもちいいなぁ。
[現実逃避の呟きがこぼれる**]