…………………ほぉお。
あの蒼月が。譲葉イチの朴念仁と噂されるお前がなァ。とうとう身を固めるとは。
これは本当に明日隕石でも降りかねんな…!
[けたけたと笑って、そうかそうかと繰り返す。
薄紅の扇に描かれた金の桜は、つまりそういう事だろう。選で対峙した、金の髪と気の強い眼差しを思い出す。
彼女とならば、確かに退屈はするまい。]
そりゃ居るさ。
お前が無駄に長生きばかりが過ぎて、割に世間知らず過ぎるんだよ。
世界は広くて、まるい。譲葉の内も外も、な。
[ある所にはある、その言葉>>225には肩を竦め。
けれど翳りの無いその笑顔に、男もからりと笑う。長いこと引っかかっていた何かは、その喉元にはもう残っていない。]