[黙とうを捧げ終わり、そして覚悟を決めた。それは、じわり、じわりと染みを広げたその紙を、"黒い紙"と決めただけのこと。白く見える黒い紙……なんてものは存在しないのだから。そして、カレルへと通信を飛ばす。初めから通話目的ではなく。ボイスメッセージで、「ソマリがそっちに向かったけど大丈夫?……気を付けて。」とだけ吹き込んで。それは"万一"の保険であった。カレルに頼むのは、とても心苦しかったけれど……。もしソマリと会っていたならば、違和感を感じているかもしれないと思ったからで。]