提督…?
[ 大きな手が、男の襟から離れ、大きく息を吐く気配に、閉じていた目を開ける。
そして、告げられた言葉に、男は、困ったように眉を下げた>>205 ]
あれは…単なる事実を言ったまで、ですよ。
[ ウェルシュを危険に曝した事と、帳消しに出来る程の事ではない、と、そう言ったものの、ゲオルグの中では、既に、それで収まりがついてしまっているようだった。
「そもそも俺は殴られに来たんですけど」と、男の顔には書いてあったかもしれない ]
はい。俺もそれが妥当だと思います。
[ ウェルシュをストンプへ返す、という決定については、男は異を唱えはしなかった。もともと危険があれば後方へとの約束もしていた。ウェルシュ自身が、素直に頷くかは分からないが、その約束を守らなかったことを盾にとることは出来るだろう。
ずいぶんと狡いやり方になるが、例え恨まれたとしても、彼の命には変えられない ]