―翌朝:自室―
[昨晩は露天風呂で聞こえてしまった会話にどぎまぎした後、自室で短い睡眠を取り、その日の夜を過ごした。
職業柄、短い睡眠時間でもそれなりに疲れは取れたようで、ヴェルナーが用意してくれた新しいスーツに袖を通せば、ベットに腰を下ろし、部下の報告を受けて。]
『自警団員の件に関しましては、院長に掛け合った結果、病院内の自警団員をアーヴァイン氏の事故処理に回してくれる様になりましたので、病院内の警備は手薄になりましょう。
故にもし、誰かが暴れられたりしても、取り押さえたりするのは難しいでしょうし、強制お見合いの抵抗されても支障は無いかと。
ただ、外回りの警備の方と旅館の自警団員の方は残念ながら……。』
……そうか、そこまで出来たら上出来だ。
他に関しては、俺が直々に交渉するしかねぇかぁ……まぁ病院に来た時にでも掛け合ってみるわ。
[今日から強制お見舞いが始まるらしいので、自分が呼ばれた時に、院長に交渉すればいいや、と思ってこの件に関しては保留と決めた。]