― 『ヴィルベルヴィント』近辺 ―
[とりあえず、旗艦周りは落ち着いたと見えたので、少し高度を上げて周囲を見回し]
……ぉぃ。
[確か、両国共に五隻ずつで構成されていたはずなのだが。
明らかに、船影が少ない]
霧に巻かれた……?
海にもローレライっぽいものはいる、とは聞いてるがそれじゃなかろうな……。
[先ほどの霧は自然のものではなかったらしいから、そちらの作用ではありそうだが]
取りあえず、現状報告して……って。
[言いつつ、ぐるりと周囲を見回して。
波間でゆらゆらとしている影に気が付いた]