[過去の話には]
本当、大変だった。
挙句、俺もお前もそのまま試験受けて、なあ。
防具を直して返さなきゃならないってんで、試験が終わった後にその足で市街地の鍛冶屋に頼みに行ったんだっけ。
ばぁか。それは俺の台詞だって。
悪いが26勝目はこっちが先に頂くぜ?
[突きつけられた箒の先を、拳の裏で軽く叩く。
教訓が身についていないのはこちらもか。
何せ、双方の完治を知った日からまた練武場で木剣交えていたくらいだ。
遠慮も自重もしないのは、相手も同じだという信頼ゆえ。
そうして経験を積んだ分、力をつけたという自負もある。]