それから、この先は瘴気がとても濃くなっています。
僕もひどい耳鳴りに悩まされたので、進むときは慎重すぎるくらいで丁度いいかもしれません。
幸い、魔物の数は少ないのか、遭遇せずに済みましたが……
逆にそのせいで、進みも速くなりがちです。
[後ろからタチアナが降りてくるのが見えて、軽く手を上げて挨拶した。そして彼女にも聞こえるよう、少し声のトーンを上げて]
少しでも異変を感じたら、無理をせずに休んだほうがいいかもしれません。
……タチアナも、分かった?
[『記憶』によれば、この少女はセルウィンの為ならば無理を圧してしまいがちで。
そして『少年』は、そんな仲間を気遣う事が多かったから、きっとこう言うのだろうと]