[>>249薬草の名前を言われれば、男は鼻をすんと慣らして厨房に漂う芳香を味わう。
香水などの用途で使う、自分にとって好ましいものくらいは知っているが、ハーブ自体には明るくない。
それでもオズワルドの試作品に付き合う事で少しずつ覚えてはきたが。]
ん。
―あぁ、この香りはタイムだったか。
確かに前に食べた時のよりも肉臭くない気がする。
本当、よくこんな風に改良出来るよな。
今日も美味かったよ。ご馳走さん。
お前の同期で俺は役得だな。
[腹が満たされれば、目を細め。
男の側に腰掛けてテーブルに片肘をつく同期の視線に気付けば、機嫌のいい時の笑みを浮かべて賛辞の言葉を送る。]