…おーい、…ぉおーい。
[ 長い廊下の先を行くフレデリカに向かって、
控えめに声をかけた。
各教室は試験中なのだ。さすがに最低限のマナーは守る。
フレデリカが立ち止まれば、ひそひそ声で話しかけるだろう。 ]
お前相変わらず早いなー。あのテスト、3年から6年までいたんだぜ。
ところでさ、今日の試験全部終わったら練武場行かないか?
実技試験の前に体動かしとこーぜ。
筋肉ほぐしておかないと!
[ それは、座学に比べて実技が極端に苦手なフレデリカを
気遣っての誘いだったのか。
単に遊び相手が欲しかったのかは定かでない。
「カレルも来るかも!」などと、本人に確認もとっていない
さそい文句を並べて、後輩を勧誘した。** ]