おや、お気に召しませんでしたか?
レディ・シュトラウスのお子は、随分と恥ずかしがり屋らしい。
[口調が砕けても>>240、眉を寄せるどころか、むしろ楽しそうに口元を緩ませて、くつくつと喉を鳴らす。
しょうがないとでも言うように、わざとらしく肩を竦めながら苦笑した。]
シメオンですね。
私のことはどうぞ、好きなように呼んでください。
[呼ぶことがあるかは分かりませんが、と要らぬ言葉を付け加えるのも忘れない。
相手の反応など気にする様子もなく、グラスを揺らしながら、甘い赤の香りを楽しんでいる。]