― 首都モーリス ―
[ かつての廃都は、今や魔軍の中心都市へと変貌を遂げている。
魔物と人間の比率は、7:3と行った所か。
どこにも行き場のない犯罪者や、追放者が、日々増えていた。
価値観の違う魔物同士や、魔物と人間の間で、いざこざは絶えない物の、
そこは確かにある種の活気に満ちていた。
これから発展していく、チャンスにあふれた場所であった。 ]
[ テオドールは、大陸の間に飛竜の定期便を交わしていた。
機を見るに敏い、いくつかの大陸の国は、カレンでの騎士団長代理敗北を見て、
魔軍へ下ったり、魔軍との協力関係を提案してきていた。
別の時間軸の通り行った国もあれば、正反対の対応をする国もある。
その理由を探りあて、ソマリアランの影を見つけると、
テオドールは苦い思いを抱えた。 ]