― 三階へ続く階段 ―[がしゃりと具足を鳴らし、破壊された石段を律儀に一段ずつ降りる。決して急いてはいない。] それ以上は覚えていない。 私には、何を託されたのか分からないのだ。[最下段で一度だけ足を止め、] ……ただ、遺していくことを気にしていた。[それだけを告げると、もう省みることはない。聖女の痕跡を追い、疾駆を始めた。]