[用が済んだのだからもう良いと、離れようとした私を王子は更に呼び止める。そして差し出されたのは、毒々しい色をした飴。良く効く回復薬だというそれ、見た目からは到底信じられないが]…今のところ必要はありませんが、頂いておきます。[少なくとも、精霊達は警戒していない以上害は無い。味が壊滅的だとまでは知る由も無いが、それが分かる機会もあるかどうか。受け取ると踵を返し──かけた足をふと、止めて]