遠くまで出ていたんで遅くなってすみません。
成果は特にあがりませんでしたけど、おかげさまでピンピンしてます。
[彼女が軽やかに回転するのを見て、ほっと嘆息する。
表情声音も窺い知れず、見た目こそ常通りに見えるがどこか不穏が漂う。
囁かれる情報には軽くショックを覚えて、難しい顔をして額に手を当てた。]
重症って……そうか。
ユーリエというともう1人の女性か。
[炭坑現場での事故の話を聞くと、十字を切って御愁傷様と瞑目した。
怪我した姿も見ていなければ2人が事故にあった話も実感は遠い。
ただ、出会ったときの涙の跡を思い出せば繊細さが気になって。]