[放送は聞いた。
彼女がどうしているかは分からないが、殆ど直感のように、この事態の中身を粉にして走り回っているのではないかと、あのとき聞こえた口調に思う。>>10
無事でと思う感情と、恐らくは大丈夫という、今の彼女を見ての思考は、一瞬の沈黙になって落ちる。
居場所は分からないが――…]
ん、場所は分かりませんが……
そうだな、少々お待ちを。
[支給されている個人用の端末を起動し、パネルを操作して通信回線を開く。>>221
まずはコックピットへと。
彼女がどの場所で何をしているときであったか、例えば第二エリアの近辺で、誰かと遭遇する前であったか、後であったか、それは分からないが。
彼女に通信が届いたなら、次のような報告を聞くだろう。
もしかしたら、録音されたメッセージであるかもしれないけれど。]