[配給所は既に食事を済ませた者が多かったのか、人通りは少なかった。
既に在庫は少なく、残っていたミックスサンドといちご牛乳を選んだが、果たしてこれだけで満足できるのだろうか。
もっと食べたい、やけ食いをしたいと思いながら配給を受け取り、席まで歩いている私服の男性とすれ違い(>>201)。
オリエンテーション時に見かけたような気もするが、はっきりと思い出せない。
私服だから普通に一般客だろうと勝手に思い。
彼には配給所に入った段階で気付かれていたのだが(>>182)、涙を止めなきゃ、気分を紛らわせなきゃ、と躍起になっていた当時気付くこともなく。]
こんにちは。もうお食事は済ませられたのですか?
[声こそ明るいものの、少し前まで涙で潤んでいた瞳は瞬時に戻ることもなく。
目を反らしがちに礼を返したが、注意深く見れば泣き跡を発見できるだろう。]