[今日はそこに、他所者の姿があった。カルボナード辺りから来たのだろうという雰囲気だ。軍服は纏っていないものの、軍人かも知れなかった。男の肌は陽に焼けていて、大きな身体は逞しさを感じさせる。とはいえ漁業で額に汗している風にも見えず、したがって、会戦の後に早い休暇か何かでやって来た軍人なのではないかと思われた。宿の主人は男を知っているようだった。が、特には何も言わず、ただ男を少し奥のテーブルへ案内しただけである。]