─回想・ナネッテと(続)─
[ メイン・サロンでハーランを追い外に出る前のこと。
ナネッテはベルガマスコを人狼と断定した>>223。]
僕は議員が襲われる前日、話をしていたんだ。
話していた感触、あの議員が人狼かと言われると
とてもそう思えなくて。
じゃあ逆に聞くけれど。
ベルガマスコ議員が人狼という証拠はあったのかな?
[ 普段の眼差しに少しの疑いの念を込め、問い返す。
証拠品があったと言われれば一応頷きはするが
“議員は嵌められたのだろう”と心の中に留めておく。
僕は議員が人間であることを知っている。
この段階ではまだ彼女が偽りの情報を信じている
ただの人、という想定も捨てていなかったから。
次の武器庫爆発の件についても平行線のまま>>225。
伊達に彼女も長くは生きていない。
簡単にボロを出すような相手でも無さそうだ。
クールビューティーと言った後、表情に微妙に変化が
あったのは是非見てみたかったけれど。
どうしてあの時振り返らなかったのだろうね、僕。]