[第2エリアの人通りの少ない、やや離れた場所まで歩いた頃だったか。
思えば、無意識にガルーがこの目立たない位置まで誘導したのだろう。]
[ どくんっ。
心臓が音を立てたのが聞こえた。
この感覚は――分かる。
幾度と無く、今までずっと抑えていたものだ。 ]
……っ、 …………ろ……。
[形振り構わずその場に蹲り、膝を立てる。
菫色の瞳は、ぼうっと緋を塗ったような輝きを放ち始めていた。
セルウィンが心配そうに覗き込むのなら、その腕をがしっと掴み取るだろう。*]