― 『澱み』の集う場所・海上 ―
[龍王、そのものでなくてもその眷属たる海龍は、シンシャの民にとって畏怖すべき存在。
模倣とはいえ、そのような存在と対峙することになるとはと、途方に暮れていたのだが]
――貴殿は。
[傍らからの声>>238に、はっと視線を流す。
ユウレンの剣士の内心までは読めなかったが、力の籠った声とその笑みの意図は知れた]
ええ。
……その存在の意味するものを知らず、ただ力のみを真似たというなら。
海に生きる者として、その在り方を正さなければなりませんね。
[ダーフィトの言葉に後押しされ、鈍色の海龍へと向き直る。
海を統べる者の姿を借りながら、海を汚し澱ませるもの。
シンシャの民、キタミの一族の者として、立ち向かうべき相手と定めた]