[ごく素朴な疑問は、前後不覚の酔客の耳には届くまいと思っていたのだが。言語回路の方は怪しくとも、聴覚はまだまともに機能していたらしく>>246絡む男に無視を決め込み、通り過ぎようと連れの腕を引き掛け] ッ、何するのよ……っ、![自分を庇い突き飛ばされそうになる姿に、抗議の声と同時、迸りそうになった魔力を咄嗟に押さえ込む。ひやりと夜風よりもぐんと冷える空気だけが、酔客の腕を舐める]