― 追憶/ウルズになってからの事 ―
[最初の手紙は帝国に着いてすぐ書いたが、二通目の手紙を出すまでには少し間が空いた。
その間帝国軍に入隊したのだと、手紙には綴って。]
仲良くやってそうだなぁ。
[とは何度目かの手紙の中に、ポプリの袋が入っていた時の事。
手紙の端々から、あまり得意でない裁縫にやや強引に興じさせられたのが見てとれて、つい笑ってしまったものの、その中に自分が居られない事に少しだけ目を伏せた。
一度だけ、彼女に小包を送った事がある。
中にはウルケルでは手に入れ難い、珍しい食べ物や酒が大半だったが、添えるようにRiaという名と一輪の
『嬉しかった、ありがとう大切にする』と書いた手紙と共に。]