――向こうにも、精霊師がいるようですわ。 それに、向こうもこちらを探りに来ている……。 既に気付かれたかもしれません。[小声で口早に報告しつつも、固く握った左手の下では、胸が妙にざわついていた。 焦燥の理由は、単に敵が接近しているからだけではない][漣に似たその気配は、どこか懐かしい波長を、こちらに返して来ていたから]