― 連邦軍野営地 ―[どうやら話は上に通ったらしい。しばらくして、来いと呼ばれたので船を岸に寄せて上陸する。積み荷の樽は、同乗の二人が抱えて運んだ。対岸の二人に小舟を返してくるようにと託し、残りの四人を引き連れて野営地に向かう。兵に先導されて訪れたのは、大きな天幕だった。供の四人は外に残し、自分だけで入り口を潜った。腰に差した短刀を置いて行けと言われるなら、抵抗はしないだろう。]