[正式に権限を得た元帥は、───得る前から、戦力の糾合を進めた。国内の各基地に連絡を取り、まずは地上部隊を首都周辺に集める。
飛行船は必ずと言っていいほど狙われ撃ち落されたので、移動はもっぱら車両か、河川を行く船が使われた。
集まり過ぎれば天使の目を引く恐れがあるため、小規模の隊が首都の近くに散らばるような形となる。
攻撃を免れた飛行船は、慎重にドックに隠すよう指示された。
決戦用兵器ではあるが、元帥はその有用性をあまり高く見ていない。]
豆粒みたいな敵が相手だぞ。
飛行船など、的にしかならんわ。
それより戦闘機隊に物資を回せ。
[という元帥の言により、各地の航空部隊には人員弾薬などが優先的に送られることになった。]