―城の一室―[扉の向こうから聞こえる笑いを含んだ女性の声。怖い人でなくてよかった、と、少女はいくらか安堵しながら。それでも恐る恐る扉を開けて、]ご無礼をお許しくださいな。すこし疲れていて、注意力散漫になっていたみたいなの。[改めて謝罪の言葉を口にした。]私はシルキー。退屈なら、お外で散歩でも如何?『お父様』が、此処の中庭はとても綺麗だと教えてくれたわ。[退屈ならば外に出ればいいのに。目の前の青い髪の女性が罪人であるなど、思いもよらぬ少女は無邪気に話しかけた。]