[低い囁きに応じ生まれ出でた闇が、純白の外套を着せかけてくれる。
生来の住処に在った時は、常に纏っていた色>>239
闇夜に馴染む装いを、今は襟元から足先まで真白に包み]
…綺麗。ありがとう。
[肌に馴染む色彩、軽やかな感触。
綻ぶ頬は、恭順を表する仕草にほのりと上気する。
けれど迂闊な言葉に念を押されれば、すっと視線を逸らし>>245]
あまり、…期待はなさらないで?
私のいない間に忘れて下さいな。
[純白は、彼の創り出す闇手にすっぽりと覆われ、影に溶ける。
球体の中、寄り添って束の間。距離を一足に削って、明かず森の外れへと至る]