[風が頭上を過ぎる。後ろにいたはずの彼は、退路を塞ぐかのようにふわりと降り立った。>>243それは朧げな記憶の中の、いつか"彼"と見た雪のよう。怖いのに、どうしてだろう。その朱色を見れば、]綺麗…[思わず、涙が頬を伝って。こんな状況なのに、ひどく美しく思えた。]