アレイゼル卿、 ここに、ただ一言、削りたい文言がある。[カナンは「王国元首」の単語を指差した。] これが、彼女を縛りつける呪詛だ。 元首ではなく、ただのシルキーの保護を、その証書を、願う。 …おれは、できれば、彼女に普通の女性の幸せも知ってもらいたいんだ。 おそらくは──独りよがりだろうが。