[隣へと誘い込む腕は、乳白色の一雫を滴らせるだけで、一糸纏わぬ姿なのだと改めて知れる。柔らかに濁る水面に、すっと視線を滑らせ>>238] ……。 いつも空けておいてくれないと、嫌だわ。[小さく溢して、強い眼差しから唯一隔ててくれる硝子を、そろりと取り去る。いくら抑えつけても湧き上がる羞恥以上に、この腕に早く帰り着きたいと、彼の不在に何時も望んできた。快癒までは任から解放された彼に、一日中寄り添える僥倖に――そして魔人形の有難い配慮にも、敢えて甘えることにする]