―談話室―[談話室に入ってきた神父に気付き、小さく頭を下げた。そして、何かを思い出したように瞬いて] ……そうだ、神父様。 昨日お話した、花の名前、思い出しました。 多分、コルザです。[宿への道すがら、思い出した金色の花の名を神父に告げる。けれど、その名はリゼットの故郷の村での呼び名だったから。山を幾つも越えた白銀の村の住人に正しく伝わるだろうか]