―浴場―
――……ん
[どれくらいそうしていたのか、睫毛が微かに震えてふと目を覚ませば。
すぐ傍に人の気配を感じて横を向く]
あ……
[>>0:246 少しぼーっとした頭で、ジェフロイの逞しい身体に目を奪われる。
しかしその身体に、決して少なくない傷跡を認めれば。
王子に痛めつけられたであろう拷問の数々が想像出来てしまい、視線は泣きそうに歪んだ。
やはり長くここにいれば、それだけ痛みに耐えて来ているのだと思い知る。]
……いえ…
[声が喉元で詰まって、うまく言葉が出てこない。
気さくに声をかけてくれたジェフロイに対して、これだけを答えるのが精一杯だった。]