― 街中・広場 ―ああ、庭園にもきっと聞こえるだろう。けど……、いや。そうだね。空の下で聞く彼女の歌は素晴らしいからなあ。[一度口篭る仕草を彼女は果たして見止めたか。問われても、いいやと苦笑を返すばかりなのだが。>>188本当は、広間で一緒に聞こうと言いかけた。けれどそれはきっと、自分のわがままだ。身分を弁えようとする彼女の言葉の方が、きっと正しい。…かつて、彼女が言葉遣いと態度を改めたのと同様に。]