[包帯を巻いていても、うすらと透けて回りが見えているのかも?などとも思っていたのだがそうではなく。
目の前の男の顔が曇ったように思えて、聞くべきではなかったかとも思いつつ。
けども、謝罪するのも違うような気がして。
少し間をおいてから青年は言葉を発した。]
ああ、気を遣わなくて済むなら助かります。
俺、そういうのはあんまり得意でなくって。
[表情を曇らせるその一方で。
目が見えないのに、杖もなしにどうやって歩くのだろう?
見えないのに、ここに来る目的は何だろう?
目が見えてなくとも、隠し階段という存在に惹かれるのだろうか?
そんな興味が沸く。
それは、青年の職業病。
この試練を受けるのを決めたのも、結局は興味が沸いたからで。]