レト。[ちゃんと呼べ、と言われて思い返すのは、緋色の背で聞いた声。何度も呼びかけてくれたのに、声を返さなかった───返せなかった。名を呼んで、俯いて]あの時。…返事、できなくてごめんね。何度も呼んでくれたのに。…呼んでくれて、ありがとう。[顔を見たらまた素直に言えなくなりそうで。顔は伏せたまま、ずっと言いたかった言葉を伝えた*]