[立ち上がり、視線が巡る
室内は掃除の跡が伺えた。
誰かの行いに感謝すると共に、思うことが一つ
──これはいつ行われたことなのだろう?
皆話し合いに追われ、そんな余裕は無かった筈。
参加せず、ここにやって来て
時間を掛けて作業をした者がいるのか。
此処から何かの証拠を見つけるのは、もう無理だろう。]
…………。
[それは、生きる為に足掻かなければならない者として
脅威に晒された人間の行いとしてはどうなのだろう。
家族の癖に、何もしなかった癖に
誰かの善意にそんな考えが浮かぶ自分が嫌だ。]**