や、俺はみんなが避難してから――…
[こちらを案じてくれているようなクレステッドの言葉を遮りかけるが、結局言い切れずに、目が泳ぐ。
何かに集中すると引き際を忘れる自身の性格は、主に人からの指摘で、心得ている。
案内してくれるという提案には、>>162]
ああ、この船何度も乗ってる人、なのかな…?
うん、俺は自分の担当部署なら分かるけど、
他の区画の構造はそこまででもないからさ、
[自分のIDで出入りできる区画については覚えているけれども、船のすべてというわけではない。
だから、クレステッドからの申し出に、ありがとうと頷いた。
初対面なのにごめんねという言葉には、一瞬何を謝られているのか分からなかったくらいだ。
彼の内心は知らない。
そして、一体何の偶然か、
いつ暴発するか分からない身であるのは、
互いに同じであるということも。
ただ、気遣ってくれているというのは分かったから、素直に礼を言いながら。
メイン・サロンに向かおうという提案には、]